相続対策

相続で大切なのは「節税」よりも、身内で争わない、会社を潰さない対策です。

成27年の1月1日より、新しい相続税制がスタートしました。最大のポイントは、基礎控除が減額されて相続税の対象者が増えたこと、そして最大税率が55%まで引き上げられたことです。日本は少子化などにより、国の税収が年々減少傾向です。そのため、相続税の徴収に国も税務署も躍起になっているのです。

とは言え、相続対策で大切なことは、相続税の節税だけではありません。むしろそれ以上に大切なのが、実は以下の2つの問題です。

  • 遺産を巡って親族間で骨肉の争いをすることのないよう円満相続をすること
  • 会社を潰さずにスムーズな事業承継をできるようにすること

相続の3つのケース

相続の性質は大きく分けて3種類に分かれます。

  • 相続税のかからないケース
  • 相続税を払うケース
  • 会社の経営が関わる(事業承継を行う)ケース

1. 相続税を払うケース

税庁の報告によると、平成26年中に亡くなられた方のうち、相続税の対象となった方は約5.6万人、全体の4.4%です。つまり、相続税がかかる人は割合としては多くありません。ですが、もし相続税の対象となる場合は、10%~最大55%もの税率が課されるため、巨額の資産を失ってしまう可能性があるのです。

また、前述の報告によると、平均して被相続人(故人)一人当たり2,500万円弱の相続税が課税されています。地主の相続人などでは、納税ができずに困るケースも出てきます。そのため、出来る限り生前から節税や納税対策を行い、後世へとスムーズにバトンタッチする体制を整えることが大切になってきます。

そして、節税以上に大切になるのが、いかに円満に相続をするかです。遺産分割はお金が絡むため、今まで仲の良かった親族間でも悲惨な「争続」になりやすいからです。

2. 相続税がかからないケース

額の税金はかからなかったとしても、相続をするのは大変です。故人が亡くなり悲しみに伏している時に、お通夜、告別式、仏壇、墓石…と葬儀関係だけでも疲労困憊の中、膨大な数の不慣れな手続きや遺品整理、そして残った遺産の分割などを漏れなくしていかなければいけないからです。

3. 会社の経営が関わる(事業承継を行う)ケース

続を機に会社が潰れることが実はよくあります。特に、自分で会社を所有して経営もしているような同族会社の場合、こうした相続問題が起き易くなっています。大塚家具のお家相談の一端も、長男と長女に株式を分配してしまっているから問題がこじれたところが大いにあります。2007年に提訴して話題となったニトリの相続問題も、遺言や生前対策が不十分だったことから起きています。

例えば、父が所有している株式を、事前に後継者である長女に全て贈与しなかったとします。亡くなってからでは、その分配を巡って争いになります。もし後継者以外の相続人にも株式の一部を贈与したとしたら、経営に口を挟まれることになります。一度分散してしまった株式をもう一度集め直すのは非常に困難です。余計な労力とお金、そして税金もかかります。ですから、相続を機に、会社自体が潰れてしまったり、乗っ取られたりしてしまうことがざらにあるのです。

どの税理士でも一緒だと思っていませんか?

「税理士」と一口に言っても、それぞれ専門分野が異なります。「相続税」は税理士試験で選択科目になっているので、そもそも勉強していない税理士もいます。また、相続税が対象となる案件は全体の4%程度と少ないため、一般的な税理士では、年に1件やるかやらないかの業務経験しか持っていません

ですが、相続税の計算は非常に複雑で、税額も大金です。遺産分割による争いや事業承継に伴うリスクなども未然に対処する必要があります。事業承継が絡む場合は、「法人税」「相続税」「所得税」の3つをトータルで見ていかなければ見誤ります。相続の業務経験が少ない税理士だと、これらのリスクや税額の違いを知りません。ですから、相当数の実務経験があるかどうかが、税理士選びのポイントになるのです。

当事務所でデキルこと

事務所は、一般的な税理士の3~5倍近い相続案件の実務経験を有しています。さらに、他の税理士事務所とは異なり、生前贈与や相続税申告だけでなく、相続に関わるほぼ全ての内容を提携しているパートナーたちとともに解決することができます

0. 生前対策(川村税理士事務所、提携する司法書士・弁護士)

会社を経営している場合は、後継者に全ての株を集中させることが大切です。不動産などの生前贈与をうまく活用することで、相続税額を節税できます。相続人が不仲だったり、内縁の妻/夫がいたり、お金に困っている相続人がいる場合は、相続で揉めやすいため、遺言などによる対策が必要となります。

1. 相続人の確定と戸籍収集(提携する司法書士)

日頃親族と疎遠であったり、再婚・離婚をしている場合は、相続人の確定とその戸籍収集だけでも一苦労です。戸籍謄本は本籍地の役場でしか発行してくれません。また、もし一人でも相続人が漏れていたら、遺産分割協議は無効になってしまう為、抜かりなく行う必要があります。

2. 相続財産の調査と遺産目録の作成(川村税理士事務所、提携する不動産鑑定士・土地家屋調査士など)

遺産を分割する為には、まず全ての財産を把握しなければなりません。特に高額となる不動産や未上場の自社株などは慎重に査定を行う必要があります。査定額により相続税額が大きく変わってくることもあるからです。相続ではマイナスの財産も対象となるため、多額の借金や滞納している税金などが無いかも漏れなく調査することが大切です。

3. 遺産分割協議(川村税理士事務所、提携する司法書士)

故人がしたためた「遺言」の有無によって、遺産分割の進み方は大きく異なってきます。遺産分割協議では、相続人全員の同意を得る必要があります。遺産額が大きいほど、相続人が多いほど争いになりやすいため、経験豊富な専門家を間に挟んで話し合いを行った方が、大事(おおごと)になりにくいです。

4. 名義変更と遺産の売却(提携する司法書士・不動産屋・自動車屋)

不動産の名義変更(相続登記)や自動車の名義変更(登記)などを行います。必要に応じてその不動産や中古自動車を売却、処分することもあります。また、銀行の預金口座は、故人の死亡が確認された時点で凍結されてしまうため、注意が必要です。相続関係が確定するまでは口座は解除されず、引き出す際には煩雑な手続きとかなりの時間を要するため、当面の生活費や葬祭費が足りなくならないよう、予め準備をしておくことが大切です。

5. 相続税申告(川村税理士事務所)

相続発生日の翌日から10か月以内に行わないと、延滞税などが加算されてしまいます。相続税の計算は複雑で、その税額は高額です。相続税に強い税理士が、様々な特例などを組み合わせて節税を行い、あなたの資産を守っていきます。

6. 遺品整理(提携する遺品整理士・古物商)

遺産分割協議書や遺言の内容に注意しながら、遺品の整理を行います。価値のあるものは古物商に買取ってもらい、処分の必要があるものは供養をしながら整理していきます。

 

 
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